食事を食べた後、間もなく、
体がだるくなったり、
気持ち悪くなたり、
横になりたくなったり、
眠たくなったり、
など皆さんも経験したことがあるでしょう。
食後の低血圧に注意!
実はこれは、多くは血圧低下が原因なのです。
ひどい症状の場合、
食事性低血圧(Dietary Hypotension)
といいます。
発症機序は、
消化・吸収のために大量の血液が腸管に集まります。
そのため心臓の血液量が減り、
血圧が低下して
脳への血流が手薄になってしますのです。
私たちの身体は心拍を速めたり、
血管を収縮させたりして、
血圧を維持しています。
これによって脳への血流も維持されているので、
通常は、食後に低血圧などは起こりません。
ところが加齢や病気、体調によって、
体内の代謝をコントロールする自律神経などが
スムーズに働かなくなることがあります。
すると、
食後の血圧を維持する機能がうまく作用しなくなり、
急激な血圧低下が起こりやすくなるのです。
現在,
食事性低血圧の定義は確定されてはいませんが、
①食事摂取後1時間以内に平均血圧が20mmHg以上低下、
②食事摂取後2時間以内に収縮期血圧が20mmHg以上低下、
③収縮期血圧が食前100mmHg以上あった場合に90mmHg以下になる、
のどれかに該当する場合を陽性としています。
でも、
健康者に起こる眠気のように、
これらの基準以下でも軽い症状が出ることもありようです。
こう考えると、
お酒を飲んで眠くなるのも、気持ちが悪くなるのも、
ひょっとして低血圧が起きているためかもしれません。
お酒飲みすぎて、電車乗り過ごしちゃったて言うのは、
実は、
食事性低血圧だった可能性もあるのでないでしょうか。
食事性低血圧は、
自律神経失調、
パーキンソン病、
アルツハイマー病、
脳血管障害などの神経疾患だけでなく、
高血圧、糖尿病、透析、そして高齢などにより起こることも報告されています。
また,
高血圧に合併する食事性低血圧では、
降圧薬・利尿薬使用者に多く、
食後2時間以内(30分がピーク)に起こしやすいこと、
糖尿病に合併する場合では、
糖尿病の重症度や糖尿病性自律神経障害(胃排泄障害など)
と密接な関係があること、
血液透析患者では、血液透析中の食事で
仰臥位より坐位のほうが起こしやすいこと、
などが報告されています。
もちろん睡眠不足や疲労などがあれば、
症状が出やすいのは言うまでもありません。
高齢者では,
食事そのものが,
食後の意識障害や転倒とそれに伴う骨折,
食後の心筋梗塞・脳梗塞などのリスクファクターとなりうるため,
これからの超高齢社会において特に注意が必要です!
こうした食事性低血圧の予防として
コーヒー(カフェイン)が有効であるとの報告がります。
が、
確実性のある予防薬や治療薬はまだありませんので,
とりあえず炭水化物の摂取量を控えることが必要と思われます。
症状がおきたら、
脳血流を多くするために、
横になり、頭の位置を低くするなどの対応が有効かもしれません。
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人生100年の時代となりました。
このプログは、超長寿化をどのようにして、
恩恵として享受したら良いかを模索しています。
そして、老いつつある日本を活性化することにお役に立てればと、
企画しています。
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